アニサキス症について
アニサキスについて近年の厚労省の統計だと患者数が昔に比べて急増しているそうです。これだけ聞くと怖くなってしまいます。しかし怖がってばかりいては美味しい食事ができなくなってしまうので、予防する方法について考えたいと思います。
ここでいうアニサキスとは、魚に寄生している線虫のことです。人が寄生した生魚を食すると、これが胃や腸に入り込んで噛みつくことで、激しい腹痛や吐き気が生じて苦しむアニサキス症という症状を引き起こします。
この症状が出た場合は自分ではすぐに直せません。辛かったらすぐに、お医者さんに行くことになります。辛かったらというのはそのままにして治ってしまう人もいるからです。
アニサキスは寄生虫ですが、人には寄生することができません。ただし、体内に入った時はアニサキスも生きようとして、人間の内臓に食らいつくので激痛が走ります。でも、人体での生存期間は長くて3日間程度と言われており、アニサキス症にかかっていることすらわからないうちに治癒してしまっていることもあるそうです。
統計的にはその症状が増加
いろいろな情報を拝見すると近年の食品衛生法の一部改正によって、医療機関から保健所への報告義務ができたことで数値が急増したとも考えられるようです。
結局のところはいま始まったことではなく、昔からあった症状ということです。生の魚を食べたあとにちょっとおなかが痛くなっていた・・・・それってアニサキス症だったのかもしれません。この症状になった人へ話を聞くと相当に痛くて転げまわるくらいだそうで、普通の腹痛ではないと自分でわかります。気が付かないことはありえないという意見でした。
漁師町で生まれ育ったけれど・・
東京湾の漁師町で育ったため生魚を食べる機会は子供のころから多かったです。そして父親が釣りキチでして、毎週土曜日には釣り船に乗って釣ってきた様々な魚が食卓に並んでいるような家庭で育ちました。
しかしアニサキスにやられたということはなかったです。いまは別々に暮らしている両親もそのような症状にかかったことは一度も無し。生活の中ではいろいろな注意はしていましたのでそれを思い出してみます。
生きものには寄生虫がいるのは当たり前
これは親から教わりました。以前は小学校でぎょう虫検査をやっていたのですが、普段の生活においても人体への寄生虫が宿る心配があったからです。水洗トイレが普及していなかった時代は、人の糞尿を肥やしに利用して畑をつくっていることは珍しくなかったそうです。近くの畑からすごいにおいが漂ってきたときに肥料が何であるのかを教わりました。これがとても野菜にとって良い肥料になり、おいしい野菜がとれたのです。ですが、一つ大きな問題がありました。
肥料として利用する糞尿には人体に寄生した寄生虫の卵が入っていることがあり、これが野菜に付着します。ですので、そのまま食べてしまえば体内に入ってしまうということになります。
ですから畑のつくった野菜はよく洗うこと、そして糠漬けのお新香を除きますが基本は火を通して食べることを教わりました。今は生の野菜サラダが普通に食べられる世の中なのでちょっと考えられないという人もいらっしゃるでしょうが、本当に便利な時代になったものです。ただし、買ってきた野菜をサラダにするときはしっかりと洗ってからつくりましょう。
以上、寄生虫はとても身近な話であることを小さいときに教わりました。
親がやっていた魚との付き合い方
刺身を食べるのは当たり前の生活でした。その中で両親から次のことを教わりました。必ずしも言っていることは正解ではないのでしょうが・・・
- 生で食べない方がよい魚類
サバ、ソーダガツオ、鮭 - 冷凍してから刺身で食べる魚類
釣ってきたイカ
いまでは高速道網が発達して新鮮な魚類がどこのスーパーでも買えるようになりました。
このため、サンマなんかは普通に刺身で食べられるようになったのは感動ものです。しかし数十年前までは刺身で食べないことが普通だった魚の一つだったと思うのです。
基本的に“あしがはやい魚”は生では食べないのがアニサキスの一番の予防だということなのでしょう。
イカは生でさばいて食べたら一番おいしそうですね。でも、アニサキスの幼虫が見えずに食べて問題が起きやすいため、一回冷凍してから解凍したものを刺身で食べるのだと思います。
昔からサバを刺身で食べている地域があります。ですが、アニサキスの寄生状況は地域や海域によって違いがあるようで、昔から生で食べても安全な地域が存在するためと考えられます。アニサキスは簡単な酢〆ではまったく歯が立ちませんので、〆たら大丈夫だと考えていたらそれは誤りです。
鮭はルイベだったらOKだと言っていましたが冷凍されているからでしょう。最近スーパーで販売されているサーモンは外国で養殖された鱒類のことでありこれに寄生虫はいません。一般に鮭とは海や川で捕れる天然の魚を示しており、これをそのまま刺身で食べるということはありませんでした。
自分でできるアニサキスの予防
予防することが刺身を食べないことだと言う人もいますが、それでは悲しすぎます。
だから以下のことに気を付けてこれからもどんどん刺身を食べようと思います。
方法1:鮮度がよい魚を食べる
アニサキスを口に入れてしまう事例は、イカの身を除いてだいたいが内臓から腹身側へアニサキスが移動したところを生で食したときと考えられます。
魚が生きているときは内臓にアニサキスがいるのですが、魚が死んだあとに鮮度が落ちてくると居心地が悪くなって腹身に移動してくるのが原因です。
新鮮な魚を選んで食べることでその可能性をとても小さくできます。
方法2:イカは一回冷凍をする
イカの中でもとくにスルメイカには居る可能性が高いので、そのまま食べるのであればイカソーメンにする等細く切りましょう。また、食べるときはしっかりと噛むこと。噛んでしまえば生きたままお腹の中へ入ることはありません。(居ると思うと嫌ですが)
冷凍イカを解凍しても実は生の状態と同じとても美味しく刺身で食べられるのがイカの良いところです。冷凍してから刺身にするのが一番良いと思います。
方法3:購入は信頼しているお店で
なじみの魚屋さんや近所で魚がおいしいと評判のスーパー等、人気があるお店で買うというのが良いと思います。
あとは夕方以降に刺身を安売りしているときは一尾丸ごとを買ってさばいてもらうよりも、すでにお造りにされているものを買うのがよいでしょう。
調理した時間帯が早い分、魚の鮮度がよい条件で刺身にされているからです。
方法4:自分で魚を捌いて刺身にするときの注意点
これは自己責任で(笑)ですかね。わたしはよくやっていますが、鮮度をまずはしっかり確認しています。
お腹の部分が少し柔らかくなっているときは、ハラワタを取り出す際に表面やその中を確認することがあります。
ハラワタの外側にマルのようなブツブツが見えるときは注意します。
なぜかというと、これがアニサキスの印である可能性が高いからです。
では、そんな魚は刺身にしないかというとそうではありません。
このような場合は、腹側の身のすき取りを厚くして、極力内臓側の身を刺身で食べないようにしています。
これだけでもアニサキス症になる可能性は大きく減ると思います。
イカは生で売っているものをそのまま捌いて食べることはありません。
プロの人であればしっかり見てダメなところを取り除くこともできるのでしょうが、イカの身に入ったアニサキスの幼虫はとてもわかりにくいのです。刺身にするなら一回冷凍ですね。
私の家族は刺身が大好物です。だから嫌な思いをすることなく美味しく食べたい。
どういうところに気を付ければよいかをいつも意識していればアニサキスなんて怖くない。
これからもおいしいお刺身を沢山食べたいです。
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